猪突直進

人間の擬態で楽しいものこと場所へ赴く猪の忘備録。

雑食ないのししはエンタメもいただく。

今年見たものをとりあえず覚書で

海をゆく者
去年、ALTAR BOYZとともに一足早く終わってしまってぼんやりすごしたクリスマスを取り戻すような心地になりました。
人生という孤独の海をゆくろくでなしのシャーギーが、クリスマスに悪魔と命を懸けたポーカー勝負をするお話。
キリスト教圏のクリスマスらしく、死と再生と家族の物語でした。
長文感想が書きたいという気持ちはいまだにある。

 

D-room
いつもの。
見に行くたびに10年先も佐野大樹さんのお仕事を見続けていたいなーと思います。
毎度のことながらあんまり詳細レポはできないので感想は友達に話す。

 

ミュージカルテニスの王子様3rdシーズン
青学vs不動峰/プレビュー公演
新しいチャレンジに満ち溢れたテニミュ3周目。
私の周りでは初日あけて7:3くらいで批判的な感想の方が多めに感じたプレビュー公演でしたが、なんか私は感動して泣いてしまいました。
1stシーズン、2ndシーズンと知ってるかい?という問いかけに始まり知ってるよ!という答えにつながるすごく美しい形でまとまった物語をあえて踏襲しない所に、まだまだ新しい可能性を模索していこうとする挑戦が見えてすごくうれしかった。
テニスの王子様という物語自体はもちろん原作からなんども見知っているけれど、新しい演出でまた未知の物語にもなりました。
プレビューの時本当に評判が身の回りでよくなくて、いやいやちょっと待てよ!!!!って気持ちを周りの人に伝えるための長文感想を書こうとしていたんですが、本公演の幕があいたら割とみんな手のひら返して楽しんでたので楽しかったんならいいやーってことですっかり感想文の手は止まった。

 

つかこうへいTriple Impact大千秋楽特別公演
いつも心に太陽を
大阪に見に行きました。二度目のつかこうへい作品、今回も高橋龍輝くんにつられて。
開演前に演出の岡村さんの前説が入り、劇中のホモ!みたいな侮蔑的表現についてのダブルミーニングを意識しつつ見ることができて面白かった。
なにぶん浅学なもので、国体に出場する選手は当時スポンサードが禁止されていたというような話は聞かないと意識できなかったと思う。
当時の社会的には風刺の要素がたぶんに含まれた戯曲だったのでしょうが、いまの私にとっては孤独と愛の物語でした。
ひろげんで西野カナさんの曲とか、今回のSEKAI NO OWARIさんの曲とか、普段は割と軽視してしまいがちな流行のJpopを差し込んでくるのが岡村さんの演出だけなのか、他のつかこうへい舞台でもそうなのかはわからないのだけれども、個人的には今回のDragon Nightの使い方がすんごい好きでした。

全然見当違いなことを考えているのかもしれないけど、たとえばいつの世でも流行のものっていうのは一定の層には流行のものであるというだけで軽視されるもんかなと思って、つかこうへい作品でああいう流行歌が使われるのは、流行を下に見ることの無意味さをつつかれてつきつけられているのかもなあとかそういうことを考えた。

 

CLUB SEVEN 10th stage!

はじめてのくらぶせぶん。

これ言ったら台無しかもしれないんだけどやってること自体はネタ100連発!!みたいな感じなんだけど、それをすごい人たちを集めてエンタメとしてやるとやっぱりめちゃくちゃ面白いんだな!と思いました。

緩緩緩急緩急急緩急緩急!!みたいな感じでかわるがわる繰り出される色んなものに目回してる間に終わるエンターテイメントのジェットコースターのようなステージでした。

今回で終わるわけじゃないけど一旦クラセン一区切りということらしいので、滑り込みで見に行けて本当に良かった!大山真志くんの歌声が本当にかっこよかったですね、あとくまモン

 

*pnish* 本公演 vol.14 舞台版『魔王 JUVENILE REMIX

お久しぶりの*pnish*本公演。

3年半ずーっと待ってたわけですが、今回は2.5次元ミュージカル協会も噛んで原作付きの公演ということで発表されたときに一体どうなるんだろうなという不安がありました。客がなに不安に思うんだっていう話ですが、2.5作品をやることによって、私の好きだった*pnish*が過去のものになってしまうのではという不安だったんだと思う。

実際見てみたら、伊坂幸太郎原作の魔王をコミカライズした魔王JRを、さらに舞台向けにしっかりと作り変えてあって、なんというか舞台でしっかり始まって閉じていた作品で楽しかったです。

 

ぷよぷよオンステージ

まさかのぷよぷよ。このブログでそんな話はついぞしておりませんが私はむかしコンパイルというゲーム会社の魔導物語という作品が大好きでした。ぷよぷよは元々魔導物語で登場したキャラクターたちの登場するパズルゲームで、その当時はコンパイルが出していました。(会社はつぶれてぷよの版権がセガにうつった)

そんなわけでどちらかというとぷよフィ以前の懐古おたくではあるのですが、ぷよぷよが舞台化されるなら行かないと!と思ったので行ってきました。結果として怒って帰ってきた。

全体的に本当にぷよぷよをそのまま舞台にした感じでした、良くも悪くも。

ぷよぷよという作品のノリが好きで見に行くんならたぶん楽しかったんだろうなーと納得もするのですが、あまりにもそのまますぎてこれをS席7,500円の舞台でやるくらいなら7,500円の新作ゲーム出してくれたほうがよくない?って思った。舞台でやる意味はあんまり感じられなくて個人的には不満大爆発でした。

あとアンケートも入ってないし、終演後のアフタートークに出演されていたシリーズのプロデューサーさんにまったく好感が持てなくて、アフタートークまで見ちゃって久々に時間無駄にしたなって素直に思いました。

 

 

 

個別に感想書きたいやつはきっとそのうち書きかけのブログをあげたい。

元気のGは楽しいのG!!!(Gレコ感想文その1)

私は去年の六月くらいから11月のALTAR BOYZに照準合わせて生活していたわけですが、去年あと二つめちゃくちゃ楽しみにしてる作品がありました。

そのうちの一つがGのレコンギスタです。先ごろ最終回を迎えてしまい、春から何を楽しみに生活しようかな…などと呆けてしまう心持ちです。

 

ガンダム Gのレコンギスタ

 

わたし、今でこそ割とミーハーな感じ*1に富野監督が大好きなのですが、ファンになったのはここ10年くらいの間です。なので、Gレコの前の富野監督のテレビアニメとしてのガンダムには、リアルタイムで触れたことが全然ありませんでした。

いつぞやにアニマックスでいきなり逆襲のシャアを見て雷に打たれ、なぜかスパロボαからなんとなくガンダムの歴史をさらい、機動戦士ガンダムの劇場版Ⅰ、Ⅱ、Ⅲを見て富野監督という人がいるのだなと認識してからこっち、もし次に富野監督がテレビアニメでガンダムを新しく作られることがあったなら、その時にはリアタイ視聴したいなーと思いつつ、見たことないガンダムをさらってみたり新約Zに通ってみたりリーンの翼を見てむずかしい……ってうんうんうなってました。キンゲに至ってはたどり着かなくてGレコの発表があってから見ました。どうも、にわかです。

だから、富野監督が2014年のあのタイミングで新しくテレビでガンダムのアニメをやられるって聞いてもう本当に本当に放送を楽しみにしていたのです!こんな機会は二度とないかもしれない!!このチャンスを逃してなるものか!!!!といった気持ちになるくらい。

 

いままで見たガンダムは、全部放送されて大なり小なり時間が経過しているものでした。だから、なんとなく全然見たことないはずなのに結末知ってたり、あの回って結局何がいいたかったんだろうなーと首をかしげつつ検索すれば誰かが説明してくれていたり、あの勢力のあいつどうなったの死んだの?と検索すれば生死も判明し、すでにカテジナさんとニナはガンダム三大悪女の二強的存在でした。

わかんないことがあっても、長ければ25年とか30年とか35年とかかけてファンや制作サイドが色々なものを提示してくれている作品、それがガンダムです。

知らないことを首をかしげながら調べて、色んな人の意見をよんで、おーなるほど……!って納得する。楽しいですね、そういうのもすごい楽しい。でもそういう楽しみ方から入ってしまうと、どこからともなく作品の解釈みたいな情報も目に入ってしまいます。

だからたぶんいままで見たどのガンダムに対しても、私が抱いているのって、誰かの主観を通してさらにそれを咀嚼して抱いた感想でした。私が作品に対して主観的であれるほどの主体性がなかったともいいます。

それはそれで楽しいんだけど、主体性のない楽しみ方をしてしまったなあという自覚がありました。

だからこそ、リアルタイム視聴できる富野監督のガンダム作品が本当に本当に本当に嬉しかった!!!

正直、私の動体視力では初見じゃなにが起こってるのかわからないだろうという確信があったし、むしろ10回20回通して見ても全然意味わかんないかもしれないし、実際まだ最終回見て号泣したけど全体通して何が起こってたのか把握できません。

でも、私はそれがやりたかったのです。それがやりたくて、視聴環境による時差は多少あったものの、なんとか無事にやれました。めちゃくちゃ満足しています。

放送中、一般の視聴者はだれもがGレコがどこに着地するかを知らなくて、どう転がっていくのかいろんなことを考えてて、未知の結末を自分の目で確かめる。

何度見返しても意味わかんないかもしれないけど、一度放送されてしまえば色んな人が恐らくこの先10年も20年も、実はGレコってこういう話だったんじゃね?って言い続けるのを観測することができる。知らない状態で楽しんだあと、そういう人の視点を借りて楽しめる。

これの体験ができるの、たぶんガンダムって存在を知らない本当にまっさらな時と、あとはリアルタイム放送に遭遇した時くらいだと思うんですよ。特に私は重度のネット中毒でツイ廃なので、たぶんリアルタイム視聴してなくても何かしらの情報が目に入ってしまって作品に対してまっさらではいられない所があるっていうのも大きいですが。

私が、私の目で確かめた富野監督のつくった物語を私だけの言葉で感想として吐き出せるチャンスなんで、今後もう二度とないかもしれなかったのに、結果としてGのレコンギスタによって果たせたわけです。

もうこれに満足せずになにに満足しろというのかみたいなところは正直あります。

でも、そういうところが本当に楽しかった。すごく好きで尊敬している監督によって生み出される、知らない物語を体験することによって、知らない・わからないっていう未知がエンターテイメント体験になったのです。

うまく言葉にできないけど、こんなに幸せなことってないよなって思うわけです。

半年間、体力と精神力をお芝居みるための遠征に注ぎ過ぎてしばらく視聴の期間が空いてしまったりはしていたけれど、Gレコの最終回を無事に迎えられて、本当にうれしいなぁと思っています。

最終回見て、なんかめちゃくちゃ感動して思わず泣いてしまったその泣いちゃう感情の出どころみたいな感想も今のうちに文章にしたいんですが、ひとまず元気のGはGレコ最終回おつかれさまでしたのG!っていう気持ちでブログを書きました。

半年間本当にありがとうございました!!!!!

*1:富野監督So Cuteって言ったりする

主観的にクソ制作として認識した舞台制作やそれにまつわる人物名などをメモする記事

今後も継続的に更新するためのメモとして、私の主観的な観測範囲で「あ、この制作会社の舞台やばそうだな」と感じた会社や関係者を自衛のために羅列して行こうと思います。

あくまでも個人的な観測範囲で見かけた情報をもとに、ここらへんの会社や名前のあるお芝居のチケットを自分が買わないようにという自衛かつ自戒のための覚書きです。私の誤解等により事実と異なる記載などがありましたら、お手数ですがご連絡いただけますと幸いです。

胡散臭い事案や明らかに制作側の不手際と思われる事案がある制作のほか、個人的なあるある(上演される劇場に対して出演者が過剰に多い、チケットが相場より高い、小さめの劇場でもS席A席で価格帯を分ける、日替わりの物販商品が豊富など)に当てはまる所も。

 

株式会社 アポロ5 | トップページ

2015年2月25日~3月1日にシアターモリエールで上演の『月よりの侍』にて、消防法違反では?とツイートされるような状態で劇場通路に追加の座席を設置、指定席チケットのダブルブッキングにより観客を退席させる、などのツイートあり。これ以前から制作の評判はすこぶる悪い。あとシアターモリエールで6,000円って価格もぼったくりかな?と個人的な感想。


株式会社アポロ5 舞台「月よりの侍」 新宿シアターモリエール - Togetterまとめ

月よりの侍のPなど

企画制作:アポロ5

プロデューサー:春田琢生/菅沼伸朗

制作:八田理沙子 船戸千紗子

 

 

HOME - gmk produce / 劇団マツモトカズミ

2015年1月7日~11日に新国立劇場 小劇場で上演の『新・幕末純情伝』にて、チケット販売の際にスペシャルチャリティーシートなる座席を発表→販売中止。

★SC席=「スペシャルチャリティーシート」10,000円 バルコニー部分の、ステージ真横に位置する座席となり公演を正面からご覧頂く事が出来ませんが 、舞台に大変近い特別な座席になります。
※一部演出が見づらくなる可能性もございますので予めご了承ください。
※ご購入後のお席の交換は対応致しかねます。
※既にご購入いただいている他席種との交換も致しかねます。
スペシャル・チャリティーシートは収益の一部を若手俳優の育成を目的とした諸団体へ寄付いたします。 

 収益の一部を若手俳優の育成を目的とした諸団体ってどこですかね?聞いたことないのでぜひ団体の正式名称を知りたい所だし、寄付先の詳細も公開せずにチケット買う客がいるって思ってたなら馬鹿にしてるなあという印象。

 gmk project第一回公演 新・幕末純情伝のPなど

プロデューサー:西村信吾(PIPELINE PROJECT
協力プロデューサー:西澤桂(キャスティング
アシスタントディレクター:岡山遥希
プロモーション:阿部一博・柴田雅之

 

 

映劇株式会社

ここ最近だとダイヤのAの公演延期が記憶に新しい制作会社。

演出家に公演の製作状況の進捗などの連絡を一切していなかったことがうかがえるなど、制作会社として致命的に体質が悪そうだなあという印象。ダイヤ以前からも評判は悪し。

 ダイヤのAの公演延期の発表前に関係者がこんなツイートしてたのも個人的にめちゃくちゃ心証よくない。なんについてのツイートなのかは明言されていないので邪推のしすぎかもしれない。2.5次元絡みの演目が多い。

 

まおみゅで私もとうとう映劇さんのお世話になることになりました!

実際行ってないものをクソと称するのははばかられるなという気持ちもあったけどこれで実体験できるぜ!!!!!

 

 

以下適当に更新します。

テニスとテニミュとテニミュとお前

ミュージカルテニスの王子様の最後の試合が千秋楽をむかえました。まだ映画祭もネルフェス2014もDream Liveも残ってはいるけれど、本公演はこれにて終了。最後の試合が終わって、テニミュ2ndシーズンって季節はもうすぐ終わります。いい夏だった?どうだった?
ちなみにわたしはどうにも2ndシーズンにはいくつかの理由で最初から最後まではまりきらないまま気が付いたら夏が終わってしまっていたのですが、なんでこの夏にどっぷり浸れなかったんだろうなーというのは、2ndシーズンのことを覚えている間にまとめておきたいと思います。あんまり浸れなかった季節のことは、時間がたてばたつほど忘れてしまうと思うので。

河村隆は親友の夢を見るか

2ndシーズンでは、1stシーズンの時4公演だった青学の校内ランキング戦と不動峰聖ルドルフ学園と山吹をまとめ、2公演として上演しました。ぎゅっと詰め込んであります。
ルドルフ・山吹公演に関しては密度が詰まっていて、圧倒的なスピード感で試合が進み、曲もテンポアップして、山吹は校歌がシーズン越しでやっとできたし千石清純にも曲ができたし、見てるとそれだけで脳汁だばーーーーって出る系の快感感じる演出になっていたと思うのですが、一つ一つのエピソードに対する尺が短くなっていたり、カットされたりしていました。
大半の人が脳汁だっばーってできる、全体的にテンポアップした2ndシーズンを最初に体現した公演だけれども、ぎゅっと詰め込んで限界までテニミュとしてブラッシュアップする中で、特定のキャラクターやキャストが好きだった人にきっと色んな傷を残したんじゃないかなーって思います。
なんでかって言うとまず私は傷ついたからです。
(※ここまで自分が傷ついた話をするための前ふり)

わたし、テニスの王子様って作品の中で、だれが一番とか言えないくらい大好きなキャラクターが3人います。
まずは越前リョーマ。(どんな作品でもドはまりする時にはだいたい主人公にハマるわかりやすいタイプです)
それから越前リョーガ。(映画めちゃくちゃかっこよくてずっと本編に出るの待ってました)
そして残るひとりは河村隆です。
青春学園中等部3年4組5番(めっちゃ覚えやすい)で寿司屋の息子で美化委員の河村隆、みんなからタカさんって呼ばれて親しまれてる、青学のパワー担当。アグレッシブベースライナー。
そんなタカさんには、四天宝寺との試合の際に「親友」なんてこっぱずかしい言葉で紹介される他校の友達がいます。
山吹中学校3年の亜久津仁です。お互い別の中学校に通っているし、タイプ的にも特に接点なんてなさそうに見えるタカさんと亜久津は、原作では小学校時代に同じ空手道場に通う昔なじみです。
パワーに恵まれているのに気弱な性質が災いし空手では選手としての芽の出なかったタカさんと、どんなスポーツでもトップを取れると言われるほどの理想的な身体を持って生まれた不良少年亜久津。性質も性格も全く違う二人は、都大会の時点では親友とは到底呼べない関係でした。
そんな二人は都大会決勝戦の試合の前に対戦校の選手として再会し、越前リョーマとの試合で敗れた亜久津はテニスに対する姿勢を変えるきっかけを得るし、タカさんは亜久津に臆せず挑む越前リョーマの勇気に力をもらいます。
それ以降は都大会決勝戦が終わってから全国大会準決勝に至るまで原作でも特段二人についての描写はありませんでしたが、タカさんが石田銀との試合中、波動球でコート外に吹き飛ばされまくる最中に颯爽と現れる『タカさんの親友 亜久津仁』の登場フラグとして、都大会決勝での再会は外せないイベント。私はそんな風に思っています。

だというのに!!!!
2ndシーズンのルドルフ山吹公演では、タカさんと亜久津に関するイベントはさくっとバッサリ全カットされていました……
わたしはこれにめちゃくちゃ傷ついた。傷ついたっていうか、はじめてルドルフ山吹公演を見た時はもうひたすらショックだった。

テニスの王子様は原作も完結しているし、一度は1stシーズンで原作エピソードを走り切っている、終わりの定まった作品です。もちろんわたしもこの先全国大会準決勝でどんな試合が行われるのか知っています。
全国大会準決勝のS1で行われる石田銀河村隆の試合が、どれだけ熱くて、泥臭くて、力任せで、全力でぶつかりあって気持ちのいい試合であるか、わたしはよく知っています。そして試合の最中、ボロボロになったタカさんを鼓舞するために亜久津がやってきて、「死んでこい」なんてテニスの試合にはそぐわないような応援で、タカさんの背中を押すことも。
だから2ndシーズンは、四天公演であの試合があることが解っていて、その上であの試合で親友なんすよ!なんて紹介される亜久津とタカさんのエピソードを削るんだなってことが、本当にショックでたまらなかった。

脳みその感情的じゃない部分で考えると、納得できないわけじゃない。
2ndシーズンが始まったばかりのころ、テニミュの公演は座席が埋まっていないことがよくありました。(震災とか、時期的なものもあったとは思う)
だから、一刻も早く人気のある学校の公演にたどり着いて収益性を上げる必要があっただろうし、そのために最初の2公演に1stの4公演分を詰め込みたかったんだろうなとか。
なんてったってテニミュは慈善事業ではないわけだから、この先も公演を続けていくためには、はやく収益を安定させるのが大事だからしかたない。
それにこの公演の作中でタカさんと亜久津が再会しなくても、テニミュテニスの王子様という原作が存在してそれを読むファンが多い作品なのだから、展開の補完も容易にできる。

ただ、そんな風に納得しようとする理性をとっぱらって素直な気持ちで考えると、削ってもいいエピソードとしてタカさんと亜久津の関係が選ばれたことがひたすら悔しかったのです。
これめちゃくちゃ文字にするのも悔しくてたまらないんだけど、だってもしタカさんがもっと人気のあるキャラクターだったらきっとこうはならないはずだから。
タカさんは決して大人気!なんて言って通るキャラクターではないので、だいたいの人はあのエピソードが削られてたとしても、ああ削られたのか程度の認識で特に問題にはならないんだと思う。
実際の所はどうだかわからないけれど、少なくとも制作サイドにはそう判断されたんだろうなって考えるのがめちゃくちゃ悔しかった。
そして、そんな風にキャラクター描写の優先されない作品作りで都大会のエピソードが削られても、四天宝寺との対戦公演では、S2の試合中に亜久津はやっぱりやってきて、河村隆の親友として描かれるんだろうと考えるともう、はらわたが煮えくり返る思いでいっぱいでした。2ndテニミュの大元のストーリーでは一切絡んだことがなかったはずなのに、そんなことは全然なかったことにされるんだろうなって。
実際のところどういう判断でルド吹の脚本演出になったのかなんて私には判断のつけようもないわけだけど、ルド吹公演を生で見た日からもう、そういう風にしか見えなくなってしまいました。

そして一旦そんな気持ちになってしまうと、あとはもう悶々とルド吹公演のあとの2nd四天公演のこと考えちゃうんですよね。
亜久津との絡みがカットされたってことは四天公演のS2でも亜久津のエピソード削られるのかなー、いやいやさすがにあのエピソード取っ払ったら S2の試合する意味が半分喪われるよなー、でも2ndがそんな風にキャラの人気で展開割り振りしてくならS2削れちゃっても問題ないのかもしんないよなー、いやでも四天は学校人気あるからエピソード削ったらそっちから物議醸すだろうしやっぱ普通にやるのかなー、ってことは地続きなはずの2ndシーズンの世界では亜久津とタカさんの都大会での諸々はないうえで四天のS2に繋がるのかなー……やだなー。

たぶん、テニミュが公演ごとに独立した世界観で、前後の繋がりがあってもなくても問題ないような世界観の話を上演しているならこんな気持ちにはならなかったんです。でも今のところはやっぱりテニミュはミュージカル『テニスの王子様』で、つまりテニスの王子様の物語をミュージカルでやってるんですよね。
だから、2ndのはじまりである不動峰との試合から全国大会決勝まで、物語は一本の川みたいに繋がってるとわたしは感じでいる。
未来のために必要なはずのエピソードが削られたのが心底許せなかったし、悔しくてたまらなかったし、ルド吹見てから四天公演までずーーーーっとこういうこと考えずにはいられなかった。頭の中のスイッチ切り替えて考えないようにしてテニミュ楽しもう!って思えばしばらくは考えないでテニミュ楽しむモードに切り替えられるけど、ずーっと考えない状態ではいられなかった。
3年くらいずっとこの悔しさと不安と、エピソード切って上演するって決定した制作への腹立たしさみたいなものを抱えてテニミュを見ていたし、そんなの当たり前だけど楽しいわけがなかったんですよね。
だからわたしは、タカさんと亜久津が都大会で言葉を交わす描写のなかった2ndシーズンの物語が終了して、正直言うとすごくほっとしています。
とりあえず、わたしが受け入れられない改変の入った物語が終わった。
悲しんでいる人の方が多い中でその淋しさとか悲しさを共有できないのはすごく残念だと思うけど、いまとても安心しています。

あらためて文章にしてみてやっと自覚したんだけど、2ndシーズンを素直に楽しめなかった理由の5割くらいの理由は、きっとこの気持ちのおさまらなさによっていたんだなー。


たったひとりの越前リョーマという存在

タカさんと亜久津の描写カットが5割方を占めていると自覚した今別にこの続きを書く必要はないような気もするけど、せっかくなんで残りの理由も形にしておきたいと思います。
わたしが2ndシーズンにどっぷりハマれなかった理由の、まず残りの2割。
プリンスオブテニミュこと小越勇輝さん演じる越前リョーマ。端的に言うと、小越さんが演じる越前リョーマは、私の好きな越前リョーマではなかった。

小越さんは間違いなく越前リョーマだし、不動峰戦で試合の始まったあの日から今まで着実に努力を重ねて進化し続けている役者さんだと思うのですが、私の好みとはちょっと違った。
これってシンプルだけどわりとどうしようもない理由です。
しかも1stと違って、2ndでは越前リョーマには一切の代替わりがなかったのが個人的にはすごく大きかった。
1stの時、青学は長くても2年に1度は代替わりをしていました。残って人間バトンになるキャストもいたけれど、どのキャラクターが固定ということはなかった。
越前リョーマに限らず多少好みではない解釈で演じられていても、わたしはわりと今だけだと思えばこういう解釈もありだなって割り切って楽しめてました。時には、頻繁に代替わりを繰り返す中で思ってもみなかった新しいキャラクター解釈に出会って、なるほどこのキャラクターにはまだこんな可能性が残ってたのか!なんて感動することもしばしば。
結果として初代から5代目に至るまで通年テニミュをそこそこ楽しめていたのですが、2ndではそうもいかなかった。代替わりって割と骨肉の争いの元になる人によっては苦々しい事象の代名詞みたいなところもあったと思いますが、やっぱりあのしくみ自体は結構好きだったなーって思います。
さらにわたしは、テニミュの板に乗っている間は中の人がどんな人なのかにはあまり興味を持てない根っからキャラクター目当ての人間なので、小越さんがどんなに真面目でストイックで努力の天才でかわいい顔に似合わずその実とんでもないファッションモンスターで時には闇鍋にハバネロ入れるって言っちゃう小悪魔で気心知れた共演者にはこわがりだったりいたずらっこだったりな一面があったりで魅力的な人物だとしても、テニミュを見てる間の好みではないという感想にはあまり変化がなかったのです。

そして残りの3割

タカさんが5割、越前リョーマで2割。じゃあ残りの3割ってなんなんだろうなーってシーズン中から考えてたんですけど、あとは作品をどう楽しむかの問題だったのかなあと思います。
さっきの話をひっぱりますが、小越さんって前述の通りに真面目で努力を惜しまないすごい人なので、当たり前だけど2ndシーズンを楽しんでいる青学とか越前リョーマ好きな方はわりと小越さんのことも小越勇輝の越前リョーマのことも好きなんですよね。(わたしの目につく範囲においては)
私にとっては好みじゃなくても、おごたん最高!おごたんリョーマ最高!!!(雑な要約)みたいな人の方がわたしの目につく範囲においてはけっこういらっしゃって、わたしも越前リョーマってキャラクターはものすごく好きなのに、同じく越前リョーマ好きな人との感想のギャップを埋められないままになってしまったのが、自分でびっくりするくらい息苦しかったです。
別に好みじゃないこと自体はたまに口に出してたし、それによってわたしが周りの人に与える威嚇感とか威圧感とか不快感とかの方がよっぽどでかいんだろうなーとは思ってるんですけど

テニミュに限らない話なんですが、自分が楽しいものにはまる時って、はまる対象が楽しいのはもちろん大前提として最重要で、だけどそれだけではまれるかっていうとそうじゃないんですよね。
少なくとも私はミュージカルとか演劇とかライブみたいなものだったら、その日その時その場の空気感が自分にとってどうだったかで感想が結構かわります。
あくまで自分の感覚でしかないんだけど、何かを見終わったあとに自分が抱いた感想と会場の雰囲気が似通っていればその雰囲気に陶酔してめちゃくちゃ楽しかったな…ってその記憶をかみしめることができるし、もしだれかと一緒に何かを見に行って、相手と自分のテンションが同じになって感想を言い合えるとすごく嬉しいとか、そういうの。

山吹でのエピソードの削り方が許せないとか、小越さんの越前リョーマが好みじゃなかったという直接的な話ももちろんハマれなかった原因の一つではあるんですが、それに付随した、会場や周りとの温度差みたいなものが結構重要だったんだなと。その空気に4年間しっくりなじめなかった。もしくは、なじむ気分になれなかった。
人によっては、三つ挙げたどの理由もなんだそんなことかって感じなんでしょうが、私にとってはやっぱりどれも重要なことで、全部の理由が合わさって2ndにハマりきれなかった。
2ndの公演期間中から、こういう話をしたかったけどどうにも言葉にする決心がつかないままずるずるときてしまい、一つの季節が終わったいま、やっと形にできるようになりました。
これってごく個人的な私の厄落としのようなものなので、これで色々考えるのはひとまずやめにして、次の季節に備えて準備を始めたいと思います。

今年見たお芝居の話

ネバゴー感想でめちゃくちゃひさびさに更新したけど、今年なんだかんだお芝居見に行ってます。

感想書きたいなーと思いつつだいたい先延ばしからの忘却をかましているので覚えてるやつだけとりあえずあげつらねておきたい。感想書きたいやつもある。

 

天王洲 銀河劇場 | DANCE ACT 「ニジンスキー」

再演。初演はラストシーンでニジンスキーが独り孤独の中で神になった感じだったけど、再演のニジンスキーはもっとしたたかだった。

ほしかったもの全部かっさらって自分って世界の神になっていたようで、なんだか全然印象が違った。

 

銕仙会特別公演 〈朝長〉 2014年4月26日 | 銕仙会

能が観たい!って勢いこんでいったけどちょっとまだ勉強不足だったかなって感じた。リベンジしたい。

はじまる前に民俗学者赤坂憲雄氏によるお話があって、幽霊だとかのお話がものすごく興味深かった。あとなんか大学で民俗学の講義聞いてる気分になった。

 

Patch stage vol.4破壊ランナー 公演概要|ワタナベエンターテインメント

めちゃくちゃ楽しかった!初Patch、初末満演出、何度目かの破壊ランナー。

男所帯の劇団Patchで上演されるということで、西田シャトナー氏版と違い登場人物はほぼ男性。主人公の恋人(女)が親友(男)に変わっていたり、たぶん西田シャトナー版とはテイストがちらほら違う。

自分の状況とか精神体調の具合、箱の大きさなんかの要因にも左右されるものだからたまたまかもしれないけれど、いままでで一番破壊ランナーってこういう話だったのか!ってすんなり入ってきた。

豹二郎ダイアモンドは、恋人のリンコではなく親友のスガタを追いかけることによって、なんだか孤高のチャンピオン感が増していたと思う。そういうのが好きだからしっくりきたのかも。

 

いのうえ歌舞伎『蒼の乱』公式サイト

これナポレオンの時にも言ったけど美しさは力だよ!!!

初めて生で拝見する天海祐希さんは乱れることのないハイビジョンどころか4K画質の圧倒的存在感で、なんであの時目がつぶれなかったのか本当にいまだに不思議な気持ちでいっぱいです。

はじめての梅芸で初めての生劇団☆新感線でいろいろ初めてづくしで、いままでの新感線の早乙女太一演ずるキャラクターのなかで今回の彼が一番好きだなとかも思いました!

楽しかったから早くゲキ×シネになあれ!

 

ミュージカル「レディ・ベス」|公演案内|福岡の演劇専用劇場 博多座

この間博多座に行ってきました!

ミュージカル女優としての平野綾さんをはじめてみたんだけどすごいよかったー!

あと東宝ミュージカルに立つ古川雄大氏と加藤和樹氏も初めて見ました、なんだかすごく彼らの年月のことを考えると感慨深い気持ちに勝手になったり、クールな頭脳の歌が耳から離れなかったり、楽しかったです!

幼気な箱入り娘ベスがエリザベス女王になるまでの変化がすごく良かった。

 

ミュージカル『テニスの王子様』公式サイト

四天公演でひさびさに生のテニミュを観劇して、全国立海も大阪まで見に行きました。

わたし、五代目青学が大好きだったので全国立海の公演を違う代の青学で見るのはものすごく怖かったんだけど、全然別物で、五代目が変わらず自分のなかで特別で1stの全立後編も特別だなって改めて思ったし、それとは別に今の青学の彼らの全国大会決勝もめちゃくちゃ面白かったです。

2ndシーズンが終わるまでにまた生のテニミュを見れる体になって本当によかった!

 

なんかまだ他にも見に行ってるような気がするのに思い出せないので思い出したら追記はしよう。